雨降る日のキセキ
本音と強がりと
それから数時間して、監督から連絡が来た。
【意識が戻った。命に別状はないそうだ】
その言葉にどれだけホッとしたか。
「翔吾…!!」
病院に駆け込み、翔吾の部屋へ飛び込む。
頭には包帯を巻き、顔にも無数の傷がある。
それでも目はハッキリと開いていて、にっこりと微笑みかけてくれた。
「よかった……」
翔吾の手は温かい。
生きてる。
ちゃんと生きている証だ…。
「なに泣いてんだよ。大袈裟な奴だな」
「だって…っ」
朝陽くんみたいにいなくなったらどうしようって怖かった。
本当によかった……。
「これぐらい大したことねーよ。お前の顔のほうが酷いぐらいだわ」
「…っ、もうっバカっ」
側にあったティッシュで涙を拭う。