雨降る日のキセキ
そうだったんだ…。


私…自分が思ってる以上に千隼くんに好かれてたんだなぁ…。


「千紘が知らないだけで、千隼は相当千紘のことを大切に思ってる。安藤との揉め事だって…」


「翔吾知ってたの?華と私のこと」


何も言ってこないから知らないのかと思ってた…。


「たまたまな。千隼が安藤と話してるのが聞こえただけ。珍しく千隼がブチギレてたから何事かと思って」


「そうだったんだ…」


あれ以来華が何もしてこないのは、千隼くんのおかげ。


いつもいつも千隼くんは私を助けてくれる。


「無理強いはできないけど、俺はアイツの想いが報われてほしいなって思ってる。千紘的には、まだ付き合おうとは思わねーの?」


「えー……」


どうなんだろう…。


朝陽くんのことは忘れるって決めたけど…でも、だからといって急に千隼くんに恋愛感情を持つわけではない。


「…千隼くんのことは人として好きだよ。でも、恋愛感情かどうかが分からない」
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