雨降る日のキセキ
自分の気持ち
その敗戦以来、千隼くんは練習に来なくなった。
それから1週間。
どう接したらいいのかが分からず、話しかけるのも億劫だった。
最後の会話はベンチ。
“エースがそんなんじゃ情けないよ”
私は…言ってはいけないことを言ってしまったのかもしれない。
あれ以来千隼くんは口をきいてくれないんだ。
練習にも来ないし…。
教室ではいつも通り楽しそうな笑顔を見せているけど、私と目を合わせてくれることはなかった。
「最近どうしたの?千隼くんと喧嘩?」
「…わかんない…。翔吾の事故以来元気がなくて…。そのまま初戦敗退して、部活に来なくなっちゃって…。話しかけづらくてさ…」
なんとなく避けられている気がして…。
なんで練習に来ないかもわからないし…。
「このままでいいの?」
「いいわけないよ…」
どうして練習に来ないのか、どうして私を避けるのかを知りたい。
視線の先には、男女数人と楽しそうに話している千隼くん。