雨降る日のキセキ
倉庫
「千隼くん!!」
今日こそは絶対に千隼くんと話す。
そう誓って学校に来たから、千隼くんを見かけた瞬間躊躇わずに声をかけられた。
昨日、チームは再スタートした。
皆千隼くんを待っている。
それを伝えたくて、もう1度話したくて。
だけど。
「もう俺に話しかけるな」
千隼くんから返ってきた言葉は冷酷だった。
どうして、こうなってしまったんだろう。
私…何かした…?
「…なんで…?理由を教えてよ…」
突然そんなふうに拒絶されたって、受け入れられないよ…。
今まで仲良くしてくれてたのに、急にどうして…?
教室中の視線が気になったのか、千隼くんは私の手を掴んで廊下に出る。
そして、眉間にシワを寄せた苦しそうな顔で言った。
「頼むから、もう俺に関わらないでくれ」
息が詰まる思いだった。
こんなふうに懇願されるくらいなら、話しかけんな!と怒鳴られる方がよっぽどマシだ。