雨降る日のキセキ
「私を避ける理由も、野球を辞めた理由も、何
も聞かないし、話しかけもしない。だからもう一回一緒に野球しよう?お願い千隼くん」


深々と頭を下げる。


これで届かなかったらもう諦めるしかないのかもしれない。


千隼くんは何も言わなかった。


長い長い沈黙。


私ももうこれ以上は何も言えない。


あとは千隼くんに委ねるしかない。


千隼くんなら…わかってくれるよね…?


信じていい…?


「……考えとく」


え……?


今……なんて……。


「…ホントに…?」


ホントに考えてくれるの…?


「……うん」


「ありがとう千隼くん!」


話しかけたらいけないという条件付きでも、千隼くんが戻ってきてくれたらチームはもっと高みにいける。


あの夏叶わなかった夢をもう1度追うんた。
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