雨降る日のキセキ
「嫌っ!!やめてっ!!」


ブラウスの胸ぐらを掴まれ、そのまま奥のマットレスに投げ飛ばされる。


「い…っ」


砂埃が舞い、古臭い匂いが鼻孔を刺激する。


マットと擦れた肘がヒリヒリと痛む。


恐怖で動けなくなった私を静かに見下ろし、ゆっくり馬乗りになってくる赤坂くん。


「来ないで……。千隼くんは…?千隼くんはどこ…?」


助けてよ千隼くん…っ。


「千隼なら来ねぇよ。あのメッセージは華が送ったやつ」


華が…?


なんで……?


「残念だったな」


「っ!?やだっ!!やめて!!触らないで!!」


胸と太ももを撫で回され、嫌悪が全身を駆け巡る。


「誰か助けて…!!」


ジタバタ暴れて抵抗しても、赤坂くんはびくともしない。


「やめて…っ」


赤坂くんの手が胸元のリボンにかかろうとする。
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