雨降る日のキセキ
翔吾は、大きく息を吸い、ゆっくり吐き出す。


「…千紘と約束したんだ。野球部のために他言しないって。だけど、お前にだけは話そうと思う」


そして、自らを落ち着かせるように静かに話始めた。


その内容は、本当にショッキングなものだった。


「千紘は…赤坂に襲われたんだ。俺がたまたま近くにいたから未遂に終わったけど…体育倉庫の中であいつは…」


千紘が襲われた…。


チームメートに…?


「安藤がお前の名前を使って倉庫に呼び出したんだ」


安藤……。


まさか俺のせい……?


安藤は俺からすべてを奪おうとしていた。


次は千紘を狙うとも…。


「そんな……」


俺のせいでまた千紘が…。


「なんで俺は…っ」


7年前と同じ過ちを繰り返すんだろう


何度千紘を傷つければ済むんだろう。
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