雨降る日のキセキ

真相


保健室の先生には何とか納得してもらい、誰にも報告しないという約束をすることができた。


安心したのか、私はそのまま眠ってしまったようで、次に目が覚めた時には完全下校のチャイムが鳴り響いている時間だった。


「千紘」


千隼くん…?


これは…夢……?


ベッドの隣に千隼くんが座っている。


私の名前…呼んでくれた…。


「千紘…」


なんで…?


もう私と話してくれることはないと思っていたのに。


「一緒に帰ろう」


「いいの…?」


私のこと嫌いになったんじゃなかったの…?


「水原さん、望月くん、下校時刻だからそろそろ帰りなさいね〜」


保健室の先生に促され、ふたりで保健室を出る。


ひんやりした廊下の空気が私たちの間を通り抜けた。
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