雨降る日のキセキ
それから少し仲良くなって、冗談半分でバッティングセンターの誘いを断ってみたときみたいに…。
「…出逢ってもう半年以上経つんだね」
あの頃は暑かった。
でも私の心は冷えていて、野球部に対して愛なんてなかった。
ただ朝陽くんのことだけを考えて生きていた。
「初めて千隼くんのフォームを見たとき、ホントにビックリした」
「…兄貴に似てたから?」
急に思い出話をし始めた私を不思議そうに見ながらも、会話に付き合ってくれる。
“兄貴”
やっぱり朝陽くんは千隼くんの“兄貴”なんだよね…。
「そう…。朝陽くん…お兄さん…にそっくりだったから。まるで朝陽くんに再会したみたいで苦しかった。だから最初は千隼くんのこと避けようと思ったの」
わざといたずらにそう言って口角を上げると、千隼くんもフッと笑ってくれた。
「…出逢ってもう半年以上経つんだね」
あの頃は暑かった。
でも私の心は冷えていて、野球部に対して愛なんてなかった。
ただ朝陽くんのことだけを考えて生きていた。
「初めて千隼くんのフォームを見たとき、ホントにビックリした」
「…兄貴に似てたから?」
急に思い出話をし始めた私を不思議そうに見ながらも、会話に付き合ってくれる。
“兄貴”
やっぱり朝陽くんは千隼くんの“兄貴”なんだよね…。
「そう…。朝陽くん…お兄さん…にそっくりだったから。まるで朝陽くんに再会したみたいで苦しかった。だから最初は千隼くんのこと避けようと思ったの」
わざといたずらにそう言って口角を上げると、千隼くんもフッと笑ってくれた。