雨降る日のキセキ
「私、やっぱり千隼くんが好きだよ」


「え…?」


「千隼くんが突き飛ばさなかったら朝陽くんは生きてたんだって思うと、正直苦しい。もう千隼くんとは関わりたくないって思ったりもした。でも、その気持ちと同じくらい千隼くんが好き。ううん、それ以上に好き。過去を上手く乗り越えられるように頑張る」 


伝えたいことを一気にまくし立てる形になってしまった。


千隼くんは固まっている。


上手く伝わらなかったのかな…。


「私、千隼くんのことが好きだよ…?」


不安になって見上げると、千隼くんは戸惑ったように視線を反らす。


「本気で言ってる?」


「本気だよ。こんな時に嘘なんてつかないよ…」


千隼くんの顔がみるみる晴れていく。
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