雨降る日のキセキ

決着


どんな手を使ったのかは知らないけどっかり大人しくなった赤坂くんを連れた翔吾が倉庫裏にやって来た。


「空き教室で話そうぜ」


「そうだな」


重い空気で空き教室まで移動する。


教室には、偉そうに腕を組んだ華が壁にもたれて立っていた。


翔吾と千隼くんに挟まれて大人しくしている赤坂くんを見ると、眉根を寄せて私を睨む。


「何よ。あたしのこと責めに来たわけ?」


高い位置で結んだポニーテールが揺れる。


「おめぇが全部仕組んだんだろ」


翔吾が凄んでも華は動じない。


それどころかハエを見るような目つきで睨み返している。

 
「あたしが仕組んだって?何のことぉ?」


「…そうやってとぼけるのはもうやめろよ。全部分かってんだよ。赤坂から全部聞いてる」


千隼くんが無理してトーンを抑えていることは、握りしめた拳が震えていることですぐに分かった。


「あっそ。で?こんなところに呼び出して何の用?」
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