雨降る日のキセキ
そんなことを考えている間に赤坂くんは退部届届けを書き終えたみたいだ。


「二度と千紘に近づくな。近づいたらどうなるか分かってんだろうな？お前は今日付けで退部。仲間でもなんでもねぇんだから、次こそ容赦しねぇよ？」


肩を組んで耳元で低く脅す翔吾。


赤坂くんは震えながら頷き、退部届を握りしめて教室を出ていこうとする。


「おい待てよ！謝罪の一言もねぇのか？」


「本当にすみませんでした！もう二度と近づかないんで、許してください…」


何度も何度も頭を下げる赤坂くん。


あんなに偉そうにしていた赤坂くんが、こんなに怯えてるなんて…。


今まで彼に対して抱いていた恐怖心が薄れていく。


「…私は、赤坂くんがしたことは許せない。ホントに怖かったし嫌だった。だからもう二度と関わらないで。野球部の邪魔をしないで。約束してくれる？」


「わかった約束する。本当に悪かった」


赤坂くんは深く頭を下げてから走り去っていった。
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