雨降る日のキセキ
全然違うのに…。


わかってるのに。


もし、朝陽くんが生きていたら。


今ごろ大学3年生か…。


もしかしたらプロ入りして活躍し始めている頃かもしれない。


あぁ…。


朝陽くんに会いたい。


千隼くんと仲良くなればなるほど、彼が朝陽くんじゃない現実を突きつけられて苦しくなる。


千隼くんは千隼くんなのに。


こんなふうに彼を見ていちゃいけないのに。


日々の練習で彼を見るたびに思う。


朝陽くんだ、って。


バカだよね。


頭ではわかってるのにな…。


心が追いついてこないんだ。


7年前のあの日から、私の時間は止まったままなんだ。
< 32 / 336 >

この作品をシェア

pagetop