雨降る日のキセキ
Epilogue
【甲子園初出場初優勝】
【一世を風靡したエース望月千隼】
【球界の主人公】
あらゆる新聞紙が大きく見出しをつけて販売してくれた記事。
「7年前の記事なんか引っ張り出してきて、どうかした?」
「たまたま見つけたの。懐かしくって熟読しちゃった」
千隼くんは甲子園出場、優勝をきっかけにスター街道を駆け上っていった。
東京に本拠地を置く球団に入団した後、1年目の2軍成績は申し分なく、2年目からは一軍帯同、3年目には先発ローテーションを勝ち取り、シーズン終了まで守り抜いた。
そして25歳の今、チームのエースとして名を馳せている。
そんな人が私の旦那さんだ。
職業柄移動が多くて一年の半分は家に帰ってこないけど、それでも幸せな結婚生活を営んでいる。