雨降る日のキセキ
記念日はたとえ遠征中だとしても大切にしてくれるし、帰ってきたときには目一杯愛を伝えてくれる。


そのたびに結婚して良かったなぁって思うんだ。


「当時はまさか優勝できるなんて思ってもなかったな」


「自覚してないかもしれないせど、あのときの千隼くんの無双っぷり半端なかったんだよ?」


「楽しくてしょうがなくて気持ちよく投げてたからかもな」


「やっぱりスターは言うことが違うね」


「なんだそれ」


夢の舞台で緊張せずに気持ちよく投げれる人なんてそうそういない。


「わ、この写真見て。翔吾めっちゃ若い」


「うわー今も昔もチャラいなー」


「今もこんなのなの?」


翔吾は高校卒業のときにはプロ志望届は出さず、大学に進学した。


でも結局、夏菜を始めとする周囲の人に勧められて大学卒業のときにプロ志望届を提出した。


そして関西の球団に指名され入団。


1年目から一軍で結果を残し、今ではレギュラークラスの捕手だ。


関西に引っ越してしまったから、大学卒業以来会っていない。
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