雨降る日のキセキ
似た境遇の同志として。


私は彼とこれからも仲良くするつもりだ。


一緒に甲子園に行くって約束もした。


だから…。


「仲良くするのはやめられないよ…」


「…は?」


華の表情が引きつったのがわかる。


眉間にシワを寄せ、眉をピクピクさせている。


千隼くんと出会って1ヶ月も経たない。


それなのに私の中で彼の存在は大きくて。


簡単に手放すことなんてできない。


それくらい千隼くんは私の良き友達なんだ。


「でも、千隼くんのことは恋愛対象じゃない。私が千隼くんを好きになることなんてないよ」


それだけはわかる。


朝陽くんには敵わない。


太陽みたいに大きくて存在感のある朝陽くんの幻影は、いつまで経っても消えないんだ。


「はぁ?そんなバカみたいな話が通じると思ってんの?」
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