雨降る日のキセキ

告白

練習試合明けの月曜日。


「千隼くんおはよう！」


教室に華の大きな声が響く。


女の子たちが華を気にしてチラチラ見ているこの緊張感のある空気。


こういう空気は苦手だ。


皆が華に気を遣ってご機嫌を伺って。


でも、そうせざるを得ないのもわかる。


私も含め、皆華が怖いんだ。


「おぉ、おはよう」


「昨日の練習試合どぉだった？？」


身体をベッタリくっつけて話を続ける華。


あんなに可愛い子にされたらまんざらでもないだろうな…。


「まぁ、なんとか勝ったけど」


「へぇー！よかった！絶対千隼くん大活躍だったでしょ」


キャッキャッキャッと楽しそうに笑っている華の声は聞きたくない。


千隼くんも楽しそうにしているし…。


いつから名前で呼び合うようになったんだろう。


前まで名字呼びだったのに。