雨降る日のキセキ

✡✡

【死ね】【ブス】【メスぶた】


「…まただ…」


あれから1週間、毎日のようにロッカーに入っている紙。


犯人は分かりきっている。


でも、本人に問い詰める勇気なんてないし、誰かに相談する勇気も出ない。


「はぁ……」


毎日毎日暴言を吐かれると、気分は落ち込んでいく一方だ。


千隼くんとはもう仲良くできない。


華の気が済むまで我慢しなきゃ…。


「千紘おはよう!」


「おっ、おはよう!」


背後から夏菜に声をかけられ、慌てて紙を鞄の中に隠す。


「今何隠したの?」


「な、何も隠してないよ」


「え〜?怪しい…。もしかしてラブレターだったりして?」


そんなものだったらどんなにマシか。


「ホントに何でもないから…。ね、それより今日調べ学習の班決めでしょ?一緒の班になろうね」
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