雨降る日のキセキ
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【死ね】【ブス】【メスぶた】
「…まただ…」
あれから1週間、毎日のようにロッカーに入っている紙。
犯人は分かりきっている。
でも、本人に問い詰める勇気なんてないし、誰かに相談する勇気も出ない。
「はぁ……」
毎日毎日暴言を吐かれると、気分は落ち込んでいく一方だ。
千隼くんとはもう仲良くできない。
華の気が済むまで我慢しなきゃ…。
「千紘おはよう!」
「おっ、おはよう!」
背後から夏菜に声をかけられ、慌てて紙を鞄の中に隠す。
「今何隠したの?」
「な、何も隠してないよ」
「え〜?怪しい…。もしかしてラブレターだったりして?」
そんなものだったらどんなにマシか。
「ホントに何でもないから…。ね、それより今日調べ学習の班決めでしょ?一緒の班になろうね」