雨降る日のキセキ
…千隼くん……。


私…こんなに優しい人になんて事をしたんだろう…。


「素っ気無い態度とってホントにごめんなさい…」


できる限り深く頭を下げて謝ると、千隼くんはワシャワシャっと頭を撫でてくれた。


「んなこと気にすんなって。むしろ、無神経に話しかけ続けて、俺の方こそごめんな」


「そんなこと…」


千隼くんが謝る必要なんてないのに…。


「あとこれ。どうしても千紘の気を引きたくて買ったお菓子。せっかくだし受け取ってよ」


「ありがとう…」


今までにいろんなものを突っぱねてきた。


それなのにずっと私のことを気にかけてくれて…。


ここまでして助けてくれて…。


「どうしてここまでしてくれるの…?」
< 76 / 336 >

この作品をシェア

pagetop