雨降る日のキセキ
第2章
忘れられぬ人
―6月末
あれからは何もなく平和に時が流れ、長かった梅雨も明けた。
部活は夏の予選に向けて本格的に動いている。
練習試合から得た弱点を克服するため、ノックに精を出す毎日。
エラーする度にトレーニングが増えていくルールになってから、部員の本気度は増している。
傍から見ていると、守備力が向上したのがよくわかる。
「守備上手くなってるよな、皆」
「ね。エラーで失点なんてピッチャーが可哀想だから頑張ってるんだよ皆」
水分補給をしに来た千隼くんと一緒にグラウンドを眺める。
「一昨日の練習試合な…」
呆れたように苦笑いする千隼くん。
その額には大粒の汗が浮かんでいる。
「あれはさすがにマウンド降りたくなった」
練習試合で千隼くんが先発した一昨日。
度重なるエラーで大量10失点。
あれからは何もなく平和に時が流れ、長かった梅雨も明けた。
部活は夏の予選に向けて本格的に動いている。
練習試合から得た弱点を克服するため、ノックに精を出す毎日。
エラーする度にトレーニングが増えていくルールになってから、部員の本気度は増している。
傍から見ていると、守備力が向上したのがよくわかる。
「守備上手くなってるよな、皆」
「ね。エラーで失点なんてピッチャーが可哀想だから頑張ってるんだよ皆」
水分補給をしに来た千隼くんと一緒にグラウンドを眺める。
「一昨日の練習試合な…」
呆れたように苦笑いする千隼くん。
その額には大粒の汗が浮かんでいる。
「あれはさすがにマウンド降りたくなった」
練習試合で千隼くんが先発した一昨日。
度重なるエラーで大量10失点。