雨降る日のキセキ
雨と記憶
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北野高校野球部の快進撃は止まることを知らなかった。
2年生エースの千隼くんを筆頭に難なく準々決勝を突破したことが地元紙に取り上げられ、千隼くんは一躍地元の時の人。
「よっ、ヤンキーキャッチャー」
「あん?」
千隼くんが爽やかイケメンと話題にのぼると同時に、バッテリーを組むキャッチャーがヤンキーみたいな見た目をしていることが世の中にバレたんだ。
翔吾はヤンキーキャッチャーと呼ばれ、そっちも話題になっているらしい。
そんなふうに注目を集めていても、当の本人たちは何も変わらない。
「なんだよヤンキーキャッチャーって」
注目されてることすら知らないようだ。
それくらいの方が力まないしいいんだろう。