友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
それだけでいっぱいいっぱいなのだから、以前は普通にしていたのかもしれない手を繋ぐ以上のことも――。

…今まだ、到底できっこないっ。



それからも、毎日病院に通ってくれた万里くん。

そんな万里くんとは違い、今のわたしの保護者であるおじさんとおばさんは、わたしが目覚めた数日後に、少し顔を見にきただけだった。


その表情は、わたしが目覚めてうれしい!

…というよりも。


目覚めてしまったのか…。

とでも言いたそうな顔をしていた。


わたしの容態を少しでも心配して、病院へきてくれたのだと思っていたけど――。

そうではなかった。



「…慈美ちゃんっ。先生から、退院しても日常生活に支障はないと言われたんだけど、…それは本当?」

「はい。事故前後の期間の記憶がないだけで、あとはなんともありません」
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