友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「そう。それならよかったわ」


おばさんはそうつぶやくと、安堵したように隣にいたおじさんと目を合わせて微笑む。


それは、わたしがこれまでどおりの日常生活が送れることへの安心ではなく、自分たちへの厄介な負担がないとわかってほっとした、というような笑みだった。


それを確信したのか、おばさんは話を切り出す。


「最近目覚めたばかりの慈美ちゃんにとっては、急な話かもしれないけど…」

「どうかしましたか?」

「実は、今住んでいる家を売って、近々田舎に移住しようと思っているの」


どうやら、今回おじさんの定年退職を機に静かな田舎へ移り住んで、新しい生活を送りたいんだそう。


それは構わないけど、…じゃあわたしは?


今は、おじさんとおばさんといっしょに暮らしている。

その家を売るということは、わたしも田舎へ…?
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