友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
…やっぱり、わたしの隣にいるのは一之瀬くんだった。


そうとわかれば、一之瀬くんの姿を目に映してなくとも、そばにいるというだけで…どうしても意識してしまう。


隣にいるのが、…気まずい。

…昨日の今日だから、余計に。


この場の空気に耐えられなくなったわたしは、そっと右手を挙げた。


「せ…先生」

「どうかしましたか、向坂さん?」

「ちょっと、体調が悪くて…。しばらくの間、保健室で休んでいてもいいですか…?」

「構いませんが、1人で大丈夫ですか?」

「…はいっ。大丈夫です」


わたしは、真隣にいる一之瀬くんと顔を合わせることもなく――。

逃げるように、保健室へと向かった。



「失礼します…」

「あら?どうかした?」


保健室に入ると、机で作業をしていた保健室の先生がくるりと振り返った。
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