友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
その言葉を聞いて、胸がズキンと痛んだ。


…あんな親密な関係だったら、そうだとは思っていたけど。

やっぱり直接話されると、…耳を塞ぎたくなる。


「でも、由奈とのキスとは違った。それで昨日、向坂とキスして…わかったんだ。俺がずっと求めていたのは、これだって」


一之瀬くんは、私の唇を親指でなぞる。


「だから、無我夢中で向坂にキスした。自分で自分を制御できないなんて、…初めてのことだったから」


あのときの一之瀬くんの気持ちは、…わたしと同じ。

やっぱりわたしたちは、お互いを求め合っていたんだ。


「『ユナ』がどこのだれであろうと、実在してもしなくても、…もうどっちだっていい」


『ユナ』をずっと想っていたことは知っていたから、思いもよらないその言葉に、わたしは一瞬耳を疑った。
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