友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「それならよかったわ。先生もちょうど、お花の水を入れ替えるところだから、途中までいっしょに行きましょうか」


…よかった。

これで、一之瀬くんが保健室から抜け出せるタイミングが作れそう。


そうしてわたしは、素知らぬ顔で保健室の先生と出ていくと、教室に戻ったのだった。



先生が、あそこで戻ってきてくれてよかった。


『俺は、向坂のことが…』

『向坂のことが、す――』


あの続きは、決して口にしてはいけないから。


…じゃないと。

きっとわたしの心は、一之瀬くんに揺れ動いてしまうだろうから…。



それからというもの、わたしは今まで以上に一之瀬くんを避けなければならないというのに――。


「向坂、遅ぇよ」

「向坂、教科書見せて」

「向坂、当てられそうになったら起こして」
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