友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
一之瀬くんが、わたしに話しかけてくることが増えたような気がする。


…いや。

隣の席なら、それが当たり前なのだろうか。


わたしが意識しすぎているだけなのかもしれないけど、何気ない会話のやり取りは多かった。


それに、それだけではない。



「向坂さん。男子に対して、色目を使いすぎなんだよね」

「そうそう。どうせ、外でもいろんな男作ってるんだよ、きっと」


女の子たちのわたしの悪口が聞こえてくるものなら――。


「あんたら、向坂のなにを知ってんの?」


いつものことだから、反論する気もないわたしに代わって、一之瀬くんが間に入ってくれた。



他には、ある日校舎の隅で、突然年上の先輩から威圧的に告白されたときだって――。


「向坂さん、オレと付き合ってくんねぇ?」

「…ごめんなさい。わたし、彼氏がいるんです」
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