友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「べつに、彼氏との仲を壊すつもりはない。あのときのキスだって、これまでのことだって、今だって、俺が一方的にしたことだから」


一之瀬くんは、まるで自分が悪者かのように言ってくれる。


…でも、違う。

あのときのキスは、わたしだって求めてしまった。


それに、これまでの一之瀬くんの行動や甘い言葉だって、そのひとつひとつにドキドキしてしまったのも事実だ。


「だから、これはただの俺のひとり言だと思って聞いてほしい」


一之瀬くんは、顔を隠すようにうつむくわたしの顎をそっと持ち上げた。


「俺は向坂のことが、好きだ」


――あの日。

保健室で聞けなかった言葉を、今ここで。


「この世で一番愛してる。ただ、それを伝えたかっただけだ」


そんなひとり言…、聞きたくなかった。

一之瀬くんの胸の内に閉まっていてほしかった。
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