友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
だって、その告白を聞いてしまったら――。

わたしはもう、…自分の気持ちを押し殺すことなんてできないから。



「…一之瀬くん。これは、わたしのただのひとり言だと思って聞いてほしいんだけど…」


わたしの言葉に、首を傾げる一之瀬くん。


ドクンドクンと高鳴る胸の鼓動。

それをなんとか落ち着かせて、喉の奥から声を縛り出す。


「わたしも…一之瀬くんのことが、好き」


その瞬間、なぜだか涙が溢れ出した。

これが、どういう意味の涙かはわからない。


でも、心の奥底にしまい込んでいた想いが解き放たれて――。

ようやく、自分の気持ちに素直になることができた。


一之瀬くんが、頭の片隅に『ユナ』のことを想っていたっていい。

それでもわたしは、一之瀬くんのことが好きなんだ。



「こんなにだれかを好きになったのは、…向坂が初めてだ」
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