友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
必要最低限の会話しかない、居心地の悪かった生活から解放されたと思えばいいのだから。



そして、退院の日。

早々に田舎へ移住してしまったおじさんとおばさんは、病院にはこなかった。


だけど、万里くんがきてくれた。


「慈美!退院、おめでとう!」

「ありがとう、万里くん」


ハグされ、恥ずかしさで顔が赤くなる。


「荷物は、新しいアパートにあるんだっけ?」

「うん。そう言われてる」

「じゃあ、そこまでオレが送ってやるよ!」

「ありがとう」


そして、万里くんに連れられて駐輪場へ。


そこには、大きなバイクが止まっていた。

まるで、闇を取り込んだような漆黒の色をしている。


「ここからなら、バイクですぐだろ?後ろに乗ってけよ」

「わぁ〜!こんなに立派なバイクに、わたしなんかが乗ってもいいの?」
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