友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
到底、納得はしてもらえなかった。


この1ヶ月ほどの間、由奈は俺に尽くしてくれた。

そのことには、感謝している。


でも、結局俺の心は由奈には向かなかったこと。

最後まで、由奈を『ユナ』と思うことができなかったこと。

俺には、『ユナ』以上に大切にしたいと思う人が現れたこと。


そのすべてを由奈に伝えた。



それを聞いた由奈は、目に涙を浮かべる。


「…信じらんない!あたし以外に、彪雅が想う人なんて現れるわけないよ!」


由奈は俺の肩をつかみ、大きく前後に揺さぶる。

まるで、目を覚ませと言わんばかりに。


「俺もそう思ってた。『ユナ』以外愛せないって」

「だったら、あたしで――」

「でも、いたんだ」


それを聞いて、由奈はピタリと動きを止めた。


「…まさか。それって…、…慈美?」
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