友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
メンバーの言葉に、思わず笑ってしまった。


…覇気ってなんだよ。

俺、そんなに今までぼけっとしてるように見えてたのか?


でも、メンバーの言うとおり、確かに長い夢から覚めたような気がする。


「心に決めた人が慈美さんなら、想いのままにまっすぐ突き進んでくださいっ」

「それでこそ、オレらONEの総長です!」

「…慶。お前ら…」


『ユナ』のことだって、俺1人じゃなにもできなかった。

俺のために自ら動いてくれたこいつらは、やっぱり俺の自慢の仲間だ。


そして、向坂のことも――。

こいつらが背中を押してくれるから、さらに自分の想いを貫き通せそうな気がする。



だから次の日、俺は向坂を探した。


向坂が保健室へ行った理由だって、だいたいの予想はついていた。

俺に会いたくないのだと。
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