友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「ああ。だってオレのバイクの後ろは、慈美の特等席なんだからっ」


そう言って、バイクにまたがった万里くんが、後ろのシートを叩く。

以前はここへ座って、万里くんといろいろなところへ出かけていたのかもしれない。


わたしは手渡されたヘルメットを被り、万里くんの肩を借りながら、後ろのシートへ足をかけようとした。


――そのときっ。


「……ッ…!!」


突然、鋭い痛みが頭を駆け抜けた。

それは一瞬の出来事だったけど、なぜか急に体がこわばって、わたしはバイクから後退りした。


「…どうした、慈美?」


不思議そうに、わたしを見つめる万里くん。

わたしも、一体なにが起こったのか…よくわからなかった。


だけど、万里くんのバイクにまたがろうとしたとき――。

急に、恐怖で体が支配された。
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