友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
ほかほかと温かい白い湯気が立ち、器の中には卵でうっすら黄色くなったおかゆが入っていた。


「…これ、一之瀬くんが?」

「ああ。でも俺の場合、食えればなんでもいいから、味付けは適当だから期待するなよ?」


一之瀬くんはそう言うけど、鰹だしの匂いがほんのりと漂い、食欲をそそる。


「いただきます」


わたしは手を合わせると、そっとレンゲでおかゆをすくい、口へと運んだ。


「…うん!おいしいっ」


素朴な味に、わたしは自然と笑みがこぼれた。


「ありがとう、一之瀬くん。朝ごはんにちょうどいいよ」


ひと口食べたら、さらにお腹が空いてしまった。

これなら、いくらでも食べられそうだ。


すると、なぜか一之瀬くんの口角が少し上がっていた。


「…どうしかした?」

「それ、朝メシじゃねぇよ」
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