友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
勝手に体が震え、心臓がバクバクと鳴る。


泣いても笑っても、これですべてが決まる。


〈今年の『ミス真神』に選ばれたのは――〉


わたしは覚悟を決めて、ゆっくりと目を閉じた。


――そして。



〈…向坂慈美さんですっ!!おめでとうございます!〉


その瞬間、一瞬にして緊張の糸がプツンと切れた。

強張っていた体も徐々に和らぎ、わたしはハッとしてつむっていた目を開ける。


「…えっ。え……!?…わたし!?」


自信がなかっただけに、自分でも信じられない結果だ。


〈グランプリおめでとうございます、向坂さん!〉


まだ戸惑いを隠せないわたしに、実行委員会の人が勝手に赤いケープを羽織らせ、頭にティアラをつけた。

そして、花束を手渡される。


「あ…ありがとうございますっ…」
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