友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
未だに夢の中にいるかのような感覚で、グランプリになったという自覚がない。


最終審査の結果、観客の投票が一番多かったのがわたしだったらしい。


〈とてもシンプルでしたが、伝えたいことがすべて詰まっていた、すばらしいメッセージでした〉


審査員からも評価されていた。



一方、由奈はというと、準グランプリだった。


『愛する恋人』への熱い想いは一番伝わってきたものの、やはりメッセージが長すぎたと。


準グランプリでも、周りに自慢できるほどの立派な成績だ。


しかし、それにも関わらず、由奈はにこりともせず、実に不満そうな表情を浮かべていた。


こうして、波乱万丈だった真神高校文化祭のミスコンは、無事に幕を下ろしたのだった。



「…一之瀬くん!」

「向坂!」


ミスコンが終わるとすぐに、わたしは一之瀬くんのもとへ向かった。
< 276 / 368 >

この作品をシェア

pagetop