友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「最後のメッセージ…、すげーよかった」

「…ありがとうっ。一之瀬くんに、わたしの想いを伝えたくて――」

「そんなことしなくたって、向坂の想いはちゃんと伝わってるよ」


そう言って、一之瀬くんはわたしの前髪をかき分けると、あらわになった額にキスをしてくれた。


「でも、てっきり辞退すると思ってたから、ステージにいるとわかったときはびっくりしたっ」

「…驚かせちゃって、ごめんね」

「向坂が出たかったなら、俺はなんだってよかったけど」

「べつに…出たかったわけじゃないの。ちょっと事情があって…」

「…事情?」


そのことを思い出して辺りを見回すと、向こうのほうに由奈の後ろ姿が見えた。


そもそも、わたしがミスコンに出場することになったのは――。


エントリーこそ由奈に勝手にされてしまったものの、本戦へ進んだのには由奈との勝負があったからだ。
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