友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
そうして、一之瀬くんが睨みを利かせると、周りにいた人たちは一瞬にして引いていったのだった。


「…一之瀬くん、ありがとう。助かったよ」

「そんなの、彼氏として当たり前だろ。向坂が雑誌や新聞に載るなんて、ぜってぇ嫌だし」

「…そうだよね。まぐれで優勝したわたしが載ったところで――」

「違ぇよ。もし雑誌なんかに載ったら、向坂のかわいさが、俺以外の男に知られるほうが耐えらんねぇよ」


そう言って、一之瀬くんはムスッとした表情を見せた。


「向坂は、俺だけのものだから。だれにも渡したくないっ」


そして、耳元に吐息がかかるくらいの距離で、一之瀬くんは甘い言葉を囁いてくれるのだった。


恥ずかしさで悶えていると、一之瀬くんのスマホが鳴った。


〈もしもし、慶?〉


どうやら、電話のようだ。
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