友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
MiLLiON
「…由奈!」


由奈はさっきと同じ場所で、ふてくされたように脚を組んでベンチに座っていた。


「どうしたの、そんなに慌てて。勝負は勝負なんだから、負けたあたしは逃げも隠れもしないわよ」


てっきり、わたしが優勝したことへの不満をぶつけられるかと思いきや、由奈の中ではすでに覚悟が決まっていたようだ。


「…で。あたしが知ってることをすべて話す…ってことでいいの?」

「うん、…お願い。わたしが忘れてしまっていて、由奈が知っている話を聞きたいの」

「それじゃあ、ここは人が多いから、場所移すから」


わたしは、黙って由奈のあとについて行った。



食べ歩きの人たちで賑わう模擬店コーナーを抜け――。

たくさんの催し物がされている校舎のそばを素通りし――。


やってきたのは、人気のない体育館裏だった。
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