友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
仕方ないと思って、わたしは右手をそっと一之瀬くんに伸ばした。


「ねぇ、一之瀬くん…!起きてっ」


そして、肩を軽く揺すった。


すると、寝ぼけたような顔の一之瀬くんが、むくっと体を起こした。

しかし、寝起きのせいか、ぼうっとしていて現状が把握できていない様子。


「問5の問題、…一之瀬くんだよ!」


もう一度声をかけると、肩をビクッと震わせて、驚いた顔で一之瀬くんがわたしに目を向けた。


「…“ユナ”?」


目を丸くして、わたしを見つめる一之瀬くん。


そんなに大きな声ではなかったんだけど、どうやら驚かせてしまったようだ。


というか、『ユナ』って…だれ?

女の子の名前…だよね?


寝ぼけて、わたしを彼女かだれかだと勘違いしているのだろか…。



「一之瀬!この問題解いてくれるか?」
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