友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
むしろ、痛みはさらに増す。


「一之瀬…く……」


わたしは一之瀬くんに助けを求めようと、スカートのポケットからスマホを取り出した。


しかし、力が入らなくて、わたしの手から滑り落ちるスマホ。

そのスマホに手を伸ばそうとしたときに、一層激しい頭痛に襲われて、わたしはその場に倒れ込んでしまった。


「…一之瀬くん。……一之瀬くんっ」


精一杯手を伸ばすも、指先がわずかにスマホに触れるくらいで、つかむことができない。


一之瀬くんを頭の中に思い浮かべるも、それはすぐに万里くんの顔に書き換えられてしまう。


わたしが求めているのは、一之瀬くんで…万里くんじゃない。

万里くんじゃ――。


そのとき、これまでに感じたことのない激しい痛みが押し寄せた。


頭が割れそうなくらいの痛みで、息をすることすらできない。
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