友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
わたしの顔を見るなり、長い前髪をかき上げて、目を丸くしてわたしのことを凝視する。


「…よかった!本当によかった!!」


そして、駆け寄ってくるなり、わたしの体を抱きしめる。


抱きしめる力が強すぎて、痛いくらいだ。


この人は、わたしが目覚めたことにすごく喜んでくれている。


それは、わかるのだけれど……。



「あ…あの。だれ…ですか?」


…わたし、この人のことを知らない。


すると、その男の人はキョトンとした顔でわたしを見つめた。


「…慈美。もしかして…、覚えていないのか?」

「え…?覚えていないって…?」


なにがなんなのか…さっぱりわからない。



それから、わたしの部屋に白衣をまとった先生がやってきて、わたしの容態を診てくれた。


幸い、体はいたって健康だという。
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