友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
【今度は逃さねぇ】

【オレを無視するとは、いい度胸だな】


脅迫じみたメッセージに、一之瀬くんに相談したほうがいいのかと…一瞬迷った。


「…ねぇ、一之瀬くん」

「どうした?」


しかし、わたしは口から出かかっていた言葉を飲み込んだ。


「…あ、ごめん。やっぱり、なんでもないのっ…」


つい、一之瀬くんを頼ってしまいそうになった。

でも、このことは一之瀬くんには言っちゃいけない。


なぜなら、あのときだって、一之瀬くんは万里くんからわたしを守るために、いっしょに事故に巻き込まれた。


これ以上、一之瀬くんがわたしを庇って傷つくところなんて見たくない。


一之瀬くんは、あのときの記憶はまだ思い出していないとはいえ、わたしがまた万里くんに狙われているとわかったら、きっとまた無茶をするに違いない。
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