友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
――すると、そのとき。


「てめぇらは、手ぇ出すんじゃねぇ!!」


一之瀬くんはメンバーを一喝すると、勢いよく立ち上がった。


「仲間がやられたからって、ONE全員でやり返したら、やってることは相手と同じだろうっ!?」

「…でも、総長!」

「総長は、悔しくないんすか!?慶さんたちが、あんな目にあって…!」


メンバーたちの訴えに、一之瀬くんは一瞬黙り込む。

それから、すべての意見を聞き入れた上で、小さくつぶやいた。


「…悔しくねぇわけねぇだろっ」


ギリッと噛んだ下唇からは、血がにじみ出ていた。


「こんなことしでかしたヤツらには、きちんとケジメはつけさせる。…でもそのときは、俺1人で十分だから」


その言葉に、声を上げていたメンバーたちは一斉に黙り込んだ。

そして、みんな固唾を呑みながらうなずいた。
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