友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
じゃなきゃ、こんなに執拗にわたしを求めてなんてこない。


行ってしまったら、最後だろう。


でもそれで、大切な一之瀬くんやONEのメンバーを守ることができるなら――。

わたしは、どうなろうと構わない。



「…一之瀬くん。今までありがとう」


わたしは、すやすやと眠る一之瀬くんにそう囁いた。


これが、最後の言葉かもしれないから…。

たとえ眠っていたとしても、せめてわたしの気持ちを伝えておきたくて。


「万里くんのところへ行ったとしても、一之瀬くんのことは絶対に忘れない。…過去に過ごした時間も、今こうしていっしょに過ごしている時間も、すべて」


この愛おしい寝顔をもう見ることができないかと思うと、わたしの目にじわりと涙がにじんだ。


「…またわたしを彼女にしてくれてありがとうっ。本当にうれしかったよ」
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