友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
一之瀬くんに微笑んでみせると、わたしはそっとキスをした。


「心の底から愛してる。…だから、ばいばい」


そうして、一之瀬くんの体に布団を掛け直すと、わたしは静かにONEのアジトをあとにしたのだった。



天気予報では、今夜から一気に冷え込むと言っていた。

そのせいか、11月でも厚手のコートが必要なくらい、真夜中は凍えるくらい寒かった。


適当な服で出てきてしまったため、一瞬にして体が冷える。


だけど、わたしには朝までに行かなければならないところがあったから――。

冷たく吹きつけてくる風に身震いしながらも、わたしは指定された場所へと向かった。



やってきたのは、廃墟となったとある倉庫街。


明かりなんてほとんどないけれど、闇の中に不気味に佇むその倉庫街に…わたしは見覚えがあった。
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