友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。～ＯＮＥ 史上最強の暴走族～

…それは、久々に見る顔だった。


「よう。会いたかったぜ、慈美」


そう言ってニヤリと口角を上げ、舌なめずりをする。


優しい仮面を被っていた、その顔が嫌いだ。

わたしに暴言を浴びせた、その声が嫌いだ。


なのに、わたしは戻ってきてしまった。

自分の足で。


――わたしを力でねじ伏せようとした、万里くんのもとへ。



「…やっぱり、あのメッセージは万里くんだったのね」


わたしよりも背の高い万里くんに、せめてもの抵抗で睨んでみせる。

しかしそんなこと、万里くんにはこれっぽっちも効いていない。


「元はと言えば、慈美…お前が悪いんだろ？オレという彼氏がいながら、ＯＮＥの総長…一之瀬のところにさえ行かなければ――」

「まだそんなこと言ってるの…？どれだけ言葉でわたしを惑わそうとしたって、…もう無駄だよ」