友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「…勘違いしないで。なにも、万里くんのためじゃない。わたしは、一之瀬くんやONEを守りたいだけ」


わたしの揺るがない信念に、万里くんは不服そうな表情を浮かべる。


「…そうかよ。その無意味な意地が、いつまで保つか見物だな」

「万里くんは、これでわたしを自分のものにできたと思っているのかもしれない。…だけど、わたしの心は、ずっと一之瀬くんのものだからっ」


声を振り絞り、なんとか万里くんに対抗する。

そんなわたしを見て、万里くんは鼻で笑った。


「…ハッ!一之瀬、一之瀬ってバカみたいに喚きやがって」


万里くんが、大きな片手を振りかざしたと思った瞬間、その手で乱暴にわたしの両頬をつかんだ。


「まずは、そのうるせぇ口を塞いでやるよっ」


グイッと顔を寄せてきて、わたしをバカにするように笑みを浮かべる。
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