友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
そうして、ふとわたしたちの視線が同時に合う。


そして、そのまま引き寄せられるかのように、わたしたちはキスをしたのだった。


初めは、小鳥たちが戯れるような軽いキス。

だけど、次第にその甘さに夢中になっていって――。


わたしたちは、思いのままにお互いを求めて唇を重ねた。


「あいつにされた分まで、俺が何度だって上書きしてやるよ」

「…うん、して。一之瀬くんのがいいっ…」


わたしが顔を赤らめながらおねだりすると、なぜか一之瀬くんはわたしから顔を離した。


「違うだろ」

「え…?」


どこか不満そうな一之瀬くんの表情。


…なにか、怒らせることでも言ってしまっただろうか。


そう不安に思っていた――そのとき。



「…彪雅」


ぽつりと、一之瀬くんが声を漏らした。
< 361 / 368 >

この作品をシェア

pagetop