友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
そりゃ…笑われたっておかしくない。

だって、『彼氏』のことを、はっきり『彼氏』と断言できないのだから。


だけど、万里くんと付き合っていた記憶がないわたしにとっては、『彼氏』と言い切るにはまだ少し抵抗があった。


でも、今日会ったばかりの一之瀬くんに、記憶喪失だということを話すつもりはない。

話しても信じてもらえないだろうし、記憶がないからって同情してもらいたいわけじゃないし。



「そういえば、一之瀬くんは?彼女とかいるの?」

「…俺?俺は…、いないよ」

「え〜、本当〜?」


こんなに、完璧なルックスなのに?

女の子が放っておかないわけないと思うんだけどなぁ。


…あっ、そういえば。


「“ユナ”ってコは?」


何気なく聞いてみたんだけど、なぜか一之瀬くんは驚いたように顔を向けた。
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